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「HUNTER×HUNTER』」再開を待ちながら24巻、他人の能力を盗む男の末路

冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』が休載されてから24週目。今回は単行本24巻を振り返る。

24巻はこんな話
武力でも最強を自負する蟻の王。盤上競技での最強も目指し、コムギと軍議で対局を続けるのだが、全然勝てる気配がない。
一方、ハンターたちは蟻討伐のために、地道に敵勢力の戦力を削いでいく。その中でモラウVSレオルのバトルがあった。

他人の能力を借りパクする男・レオル
ライオン型のキメラでB系の格好をしているレオル。テレビの前で王国論を語り、幼稚であると馬鹿にされていた特質系能力者。戦闘開始早々、波乗り技・TUBE(イナムラ)をモラウに仕掛ける。

どーだ!? オレ様のボードの切れ味はよ!? ジッとしてた方が楽に死ねるぜ!?

オメーのじゃねぇだろ そいつはオレのダチの能力だ!!

レオルの元々の能力は謝債発行機(レンタルポッド)。恩を売った相手の念能力を借りパクできるのである。今回見せたTUBE(イナムラ)ももちろん盗んだ能力。それがたまたま親しい友人のものであったため、モラウの怒りを買ってしまう。

オレ様の“TUBE(イナムラ)”は水(ナミ)を呼ぶ!!
どーよ!? イカすだろ オレ様の大波(ビッグウェーブ)!! てめーのショボい煙なんざ一呑みだぜ!!
それでオレの波を攻略したつもりか!?

テメーの能力じゃねーーって言ってんだろ!!

コイツはオレの独自技(オリジナル)だぜ
この戦にはお前のターンなんてねーんだよ オレの波にのまれて死ぬだけだ

合計6回、盗んだ能力をオレの物と主張していたレオル。モラウから2回の注意を受けたが、聞く耳を持たなかった。
冨樫義博の世界では、時々、こんなふうに他人の能力を盗むキャラが登場することがある。

幽遊白書15巻に登場した新・戸愚呂兄
暗黒武術会で桑原に叩きのめされたうえ、空気を読まなかったために弟に殴り飛ばされて空のかなたに消えていった戸愚呂兄。魔界の扉編で巻原の体の中からニョキっと再登場。

話せば長くなるがな
暗黒武術会後からここまで乗り付けてきた経緯を長尺で語りだす。
相手を食べることで能力をコピーする巻原の体を乗っ取り、相手の能力を盗む能力をさらに盗んだらしい。

大幅な能力強化を遂げて復活を果たした戸愚呂兄。浦飯一行とチーム仙水たちがシリアスな雰囲気になっている中、ここでも空気を読めずに不機嫌な蔵馬を煽ってしまう。

何度でも再生し どんな能力さえ吸収できるようになったオレは無敵!!
てめェのチンケな能力もいただいてやるぜ

オラオラァ
うらうらうらぁっ

くそォォ
なぜだァァ
なぜくたばらねェ〜〜〜〜〜

結局、蔵馬の仕込んだ邪念樹に寄生され、永遠に蔵馬の幻影と戦うことになってしまった。蔵馬史上、もっともキツいお仕置きなんじゃないか。

盗人キャラで最強クラスのクロロ
HUNTER×HUNTERで他人の能力を盗む強キャラと言えば、やっぱりクロロ。盗んだ能力を本の中に収めて、必要に応じて出し入れして戦うタイプである。昨年ジャンプで掲載されたヒソカ戦では、本に栞を追加することで一度に2つ以上の能力を使えるように進化させていた。

前の能力者の心の闇に思いを馳せながら能力を自分のものにしていく
“盗賊の極意”(スキルハンター)の醍醐味だよ

たぶん、能力以外にこれまでの盗品(緋の眼とかヨークシンシティで盗んだものとか)も持ち主の人生に思いを馳せながらアジトで愛でていたんだろう。で、飽きたら売ると。
ただ、レオルや戸愚呂兄とは違って、盗んだ相手の人生を想像する余裕を持っている。いきり立つヒソカに難なく勝利した。

レオルも戸愚呂兄も盗んだ相手に対してリスペクトが足りない
レオルは盗んだ能力を借りてるだけと居直っていたし、戸愚呂兄は「オレはゴキブリ並みにしぶとい」と言いながら巻原の体を徐々に侵食していった話を嬉しそうに語っていた。
これから能力を盗んでやろうという相手にも失礼な態度が目立っていた。レオルはモラウの能力をショボいと言い、戸愚呂兄も蔵馬の能力を「チンケな能力」と罵っていた。そう言いつつ、2人とも隙あらば盗んでやろうという姿勢があった。
ジャイアンがキメラ化したんじゃないかと疑ってしまうほどのジャイアニズムを見せたレオルは二酸化炭素中毒で死亡。戸愚呂兄は、死ぬことも許されずに今もどこかの地下で蔵馬の幻影と戦い続けている。
課題図書をオチだけ読んで読書感想文を終わらせようとするような、罪深い男たちだったのだ。

(山川悠)

参考→『HUNTER×HUNTER』再開を待ちながら1巻から読んでみる