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『君の名は。』仏でも公開 フランス人の目にどう映ったのか

映画『君の名は。』が昨年12月28日にフランスでも公開され、パリ市内は10カ所の映画館で封切られた。

同作は山深い田舎に暮らす女子高校生・三葉と東京在住の男子高校生・瀧を主人公にした物語。ある朝二人の体が突然入れ替わり、それが意外な真実へと繋がっていくという内容だ。日本では興行収入が200億円を突破し、邦画の歴代興収ランキングで2位となるなど、大きな成功を収めている。この日本のアニメ映画は、フランス人の目にどう映ったのか。

上映後、拍手に包まれた初日
公開初日の朝、パリ中心部のシネコン「シネシテ・レ・アール」には、公開を待ちわびたフランスのファンが詰めかけた。年齢層は10〜20代のアジア系男性が中心で、そこに同じく10〜20代のアジア系女性、およびヨーロッパ系男女、親子連れが加わる形。少しだけ年配者もいた。入場時にはポスターと、「新海監督に一言送ろう」と書かれた切手付きのポストカードが配られ、座席は全体の3分の1ほどが埋まった。

上映中は途中退出者もなく、時にコミカルに、時に感動的に観客の感情を掴みつつ進んでいく。そしてクライマックスを迎えエンドロールが流れると、観客の間から拍手が沸き起こった。『君の名は。』がフランスで受け入れられた瞬間だ。

現地メディアの反応は? 
公開日、ル・モンド紙は「新海誠の新しいアニメ映画は、アジアでのすべての記録を破る。このバーチャルのロミオとジュリエットは、公開されるやいなやフランス人を魅了するだろう」と評しつつ同作を紹介した。三葉と瀧という主人公の対照性、および物語の組み立て方を評価しつつ、記事の結びとして12月8日にパリ市内UGCシネシテ・レ・アールで行われた試写会では、一般公開後、1時間で満席になったことに同紙は触れた。

映画雑誌プルミエールは「私たちは『君の名は。』という、今年末における素晴らしいアニメの監督と出会った」、ロブス誌は「新海誠はいかにして新しい宮崎駿になったのか」と、今回の新しい日本映画を紹介。現地各紙は総じて前向きに評価している。

初日以降も順調だ。仏映画情報サイト・アロシネは、「メディアによる週間優秀作品」として、プルミエール誌の「アニメおよび感動の完全なる傑作。『君の名は。』はSFと悲劇、胸が張り裂けるようなメロドラマを紡ぐ、偉業を成し遂げた」というコメントなどを引用しつつ、同作を優秀3作品中1位に挙げた。

今後の日本アニメ映画の躍進は
フランスにおいての日本アニメと言えば、アニメファンは別として、ジブリ作品一辺倒のイメージだった。そのような状況で、好評を得つつある『君の名は。』はジブリ作品だけに限らない、日本アニメの新しい提案をフランスの観客へ行っている。『君の名は。』に続き、今後は片渕須直監の『この世界の片隅に』もフランスでの公開が決定している。これら作品がポスト・ジブリ作品として、さらなる日本アニメの多様性に寄与していくのか。注目だ。
(加藤亨延)