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ママ独特の話し方「マザリーズ」が子どもの言語力を育む #8

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前回は、とにかくよく泣いた第1子が、友人からのプレゼントのおかげで、ある時ピタリと泣き止んだ体験、そして、「ではなぜ泣き止んだのか?」の説明として、「コリック(たそがれ泣き)」の原因と対応法をお伝えしました。

『地球の最北で子育て』第8回の今回は、どんな文化背景を持つママでも、「赤ちゃんを前にするとついついしてしまう話し方(マザリーズ)」について、その具体的特徴と赤ちゃんの発達への驚くべき効果を紹介します!

 

[nextpage title=”赤ちゃんへの独特な話し方「マザリーズ」は万国共通”]

とっさに出る「赤ちゃんへの話し方」は万国共通?

長男が生後数ヶ月の頃、日本から友人が遊びに来てくれました。

お互いが抱える問題など少しシリアスな話になった頃、ソファにもたれる筆者の膝の上で眠っていた長男が、ぐずり始めます。

とっさに抱きかかえ、話しかける筆者。

「どうちちゃったかなあああ、ママここにいるのよおお~、あっぷっぷっぷううう」

甲高い声で、目じりを下げ、口を広げたりすぼめたりと、大げさな表情で話す様子に、目の前の友人が、手を叩いて大爆笑。

 

「そんなマイコ初めてみたわよ」という独身の友人の言葉に、ハッと我に返りました。

赤ちゃんを前にすると、無意識的にこうした話し方になるんですよね。

それ以来、身近な周りの人々でも、街で出会う見知らぬ人々でも、赤ちゃんを前にすると、多くの場合、こうした「甲高い声で、目じりを下げ、口を広げたりすぼめたりと、大げさな表情」になるのだと気づくようになりました。

それは、異なる文化背景を持ち、異なる母国語を話す人々の間でも同じだったのです!

 

とっさに出る話し方「マザリーズ」の特徴

赤ちゃんを前にすると、人は「ある決まった話し方」をすると、世界中で報告されています。その話し方とは“マザリーズ”“ベビートーク”と呼ばれています。

“マザリーズ”には、具体的にこんな特徴があるとされています:

・普段より高めの声音
・母音の強調(なあああ、よおおお、など)
・誇大な感情表現
・激しい抑揚
・身振り手振りがつく
・短くシンプル
・同じ言葉の繰り返し
・ゆっくり

 

いかがでしょうか?

自身を振り返っても、周りを見回しても、「確かに……」と頷いてしまいませんか。

世界中、どの地域に暮しても、どんな言葉を話していても、赤ちゃんを前にすると、皆同じように話しかけてしまうなんて、面白いですよね。

 

[nextpage title=”赤ちゃんに話しかけて「コミュニケーションの芽」を育てよう”]

「マザリーズ」は子どものコミュ力を高める!?

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赤ちゃんは、普通の話し方よりも、“マザリーズ”の方へ、より引きつけられるとといいます。

わずか生後2~3日の赤ちゃんでさえ、“マザリーズ”と普通の話し方を聞かせたところ、“マザリーズ”の方へと顔を向けるというのです。

またなんと睡眠中でさえ、“マザリーズ”で話しかけた方が、赤ちゃんの脳がより活性化すると分かっています。

そして、“マザリーズ”をたくさん聞いた赤ちゃんは、そうでない赤ちゃんよりも、言語力やコミュニケーション力がより発達すると示す研究も報告されているのです。

 

赤ちゃんへ話しかけることで「コミュニケーションの芽」が着実に育つ

赤ちゃんに話しかけても、会話が成り立つわけではないですし、ついつい、黙々と接してしまうこともあるかもしれません。

それでも、赤ちゃんへの話しかけは、芽の見えない土に向かって、水をやり太陽の光を当て土の具合を調整するといった行為に似ています。

地面の下では、「コミュニケーションの芽」が着実に育っています。

目を合わせる、笑顔、発声、手を差し出す、指を差す、発語といったいった“芽”が、ある日、何も見えなかった地面にひょっこりと現れます。

甲高く、母音を強調して、抑揚激しく感情表現豊かに身振り手振りを交え、シンプルに繰り返しゆっくりと話す“マザリーズ”を、大いに楽しみ、赤ちゃんの成長の萌芽を見守っていきたいですね。

次回は、「ところ変わればこれほど違う離乳食」についてお伝えします!

 

【参考・画像】

※ Fernald A. 『Human maternal vocalizations to infants as biologically relevant signals』(1992)
An evolutionary perspective. In: JH Barkow, L Cosmides and J Tooby (eds), The Adapted Mind: Evolutionary psychology and the generation of culture (pp. 391-428). New York: Oxford University Press

※ Monnot M.『Function of infant-directed speech. Human Nature 10(4)』(1999)
1045-6767

※ D’Odorico L and Jacob V. 『Prosodic and lexical aspects of maternal linguistic input to late-talking toddlers. Int J Lang Commun Disord. 41(3):293-311』(2006)

※ FamVeld , Angela Luchianiuc / Shutterstock