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ママ必見!子どもの虫歯予防「シーラントの効果」を歯科医に聞いてみた

子どもの虫歯予防には、フッ素の塗布がよく知られていますが、他にも奥歯の噛み合せにある溝を、フッ素が含まれた液体プラスチックやセメントで埋める“シーラント”という方法があることをご存知でしょうか?

聞いたことはあっても、「本当に効果があるの?」、「子どもの健康には大丈夫なの?」と思うママも少なくないはず。

そこで今回は、富山県の小矢部市で渡辺歯科医院の院長を務める歯学博士の渡辺智良先生に、シーラントの仕組みや効果などを聞いてみました。子どもの虫歯予防を考えているという人は、ぜひともチェックしてみてくださいね。

 

■シーラントって何? 仕組みとフッ素塗布との違い

まずは、シーラントの方法と仕組みを渡辺先生に聞いてみました。

「歯医者さんがまず、子どもの奥歯の溝が深いか、汚れがたまりやすいかどうかをチェックします。深いと分かればその溝を削らずに掃除して、高濃度のフッ素が含まれた材料を流し込みます。

材料にはいろいろな種類がありますが、流し込むものを総称してシーラントと呼びます。高濃度のフッ素が含まれたシーラントが歯の溝に入ると、歯がフッ素で強化される上に、溝が埋まるので歯磨きもしやすくなります」

そもそも乳歯や生えたての永久歯は、石灰化が未熟で弱いのだとか。その歯に歯ブラシの毛先も入らないような溝があると、虫歯になりやすいのだそう。

そこで歯の溝に先回りして、フッ素が含まれたシーラントを流し込み、固めて溝を埋めてしまうのです。

「ただ、歯の表面や溝は細菌やタンパク質、唾液で汚れています。そのままシーラントを流し込んで光を当てても、定着しにくい、フッ素が歯に取り込まれにくいという問題が残ります。そこで削るのではなく、酸で歯の表面の一層を溶かして、新しい面を露出させてから、その上にシーラントを流し込んで固めます」と、渡辺先生。

酸で歯の一層を溶かすと、歯の表面が凸凹するそう。その起伏にシーラントを流し込んだほうが、外れにくくなるようです。

では、フッ素を混ぜるシーラントの材料には何が使われるのでしょうか?

「シーラントの材料はセメントだったり、レジンと呼ばれる液体プラスチック(歯科用樹脂)だったりします。フッ素は単独では固まらないため、セメントや歯科用樹脂に混ぜるのです。レジン(歯科用樹脂)には、可視光線をあてると固まる材料が入っています。大人の虫歯の治療でも、削った後に詰めることがあります」と教えてくれました。

 

■本当に効くの? シーラントの予防効果

シーラントについてご説明しましたが、「本当に効くの?」、「歯医者さんが宣伝しているだけじゃないの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。そこで、シーラントの効果について調べてみました。

中立的な立場である厚生労働省のウェブサイト『e-ヘルスネット』には、

<4年以上で約60%のむし歯予防効果が認められ、とくにフッ化物応用との併用によりむし歯予防効果はさらに増加すると報告されています>(e-ヘルスネットより引用)

とあります。

もちろん完璧ではないものの、何もしないよりははるかに予防効果が高まるようですね。

 

■シーラントの注意点や危険性について

子どもの歯に行う処置ですから、安全性も気になりますよね。シーラントとして流し込むセメントや液体プラスチックのレジン(歯科用樹脂)を子どもの口の中に入れても、大丈夫なのでしょうか。

上述の『e-ヘルスネット』によれば、やはり一部のレジン系シーラント材に対して、20年くらい前に一部では危険性が指摘されていたそう。しかし、

<その後の研究によって当時危惧されたような危険性は、現在では調べうる限りないとされています>(e-ヘルスネットより引用)

という結論に落ち着いているとのこと。

さらにシーラントを固める可視光線については、『子ども医学館 キッズ・メディカ安心百科 』(小学館)にも書かれている通り、太陽の光と同じなので全く無害とのこと。

これなら子どもの歯に行う虫歯予防として、安心できそうですね。

 

■シーラントのコスト、メンテナンスのペースは?

いくら効果的な方法でもコストが高ければ手を出せません。具体的な金額はどの程度なのでしょうか?

渡辺先生に聞いてみたところ、「シーラントは保険が適用されます。また、自治体によって異なりますが、一定の年齢内であれば子どもの医療費は無料になります。例えば私の暮らす自治体では、中学3年生まで患者負担は0円です」とのこと。

ただ、一度やったら放置しておけばいいというわけではないようです。

「シーラントが溝から取れてしまうケースもあります。また、シーラントが歯に残っていても、その中に含まれるフッ素が歯に放出されれば減ってしまいます。しかし、3~6ヶ月に1回くらいフッ素塗布をすれば、その中に含まれるフッ素がシーラント材に取り込まれてシーラントの中のフッ素濃度が上昇し、再び歯の溝にフッ素が放出されるようになります」と、渡辺先生。

「3~6ヶ月に1回くらいの割合でシーラントが取れていないか確認して、取れていたらまたシーラントで溝を埋める、取れていなければフッ素塗布材を塗ると効果的でしょう」とのことでした。

 

以上、フッ素塗布に並んで子どもの虫歯予防に効果的とされる“シーラント”について紹介しましたが、いかがでしたか?

子どもの虫歯予防を考えている人は、シーラントができるかどうか、かかりつけの歯科医院などに相談してみてくださいね。

 

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【取材協力】

※ 渡辺智良・・・歯科医、歯学博士。日本歯周病学会歯周病専門医、日本補綴歯科学会専門医。現在は富山県小矢部市にある渡辺歯科医院で一般歯科、歯周病専門治療、インプラント、予防歯科、小児歯科、義歯(入れ歯)を担当。

 

【参考】

シーラント(予防法) : e-ヘルスネット – 厚生労働省

※ 横田俊一郎(2001)『子ども医学館 キッズ・メディカ安心百科』(小学館)