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「べっぴんさん」138話。派手なネクタイはそのうち誰かにもらうのを待つ

連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第24週「光の射(さ)す方へ」第138回 3月17日(金)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:中野亮平

138話はこんな話
「ようこそ赤ちゃん」の完成披露試写(内輪だけの)が行われる。

エイスは俺らの青春や
栄輔に群がるマスコミに対して、龍一(森永悠希)をはじめエイスファンが「がんばれ」と声援を送る。龍一はいつものエスニックファッションではなくアイビーを着ている。そばでエイスの紙袋をもってる人のやや使い込んでくたっとしてる感じがいい。ただ、最初、龍一は真剣な顔で栄輔を見つめている。

栄輔は聴衆に挨拶する。
「おしゃれとは生き方に通じます。
好感を与えようとする努力。誰しもが持ち得る自分はこうありたいという理想。
それに近づくように振る舞うことで自分を律し自分を高めることができる努力こそがおしゃれなのです
そのことを忘れずに僕もこれからを生きたい。そう思います」

永らく話題になっていた、いつもポケットに手をツッコんで本心を隠しているようだった栄輔が、ここでは両腕を出して、その手指はぎゅっと握られ、必死な気持ちが伝わってくる。
「男のための着こなし講座」とは要するに、潔がつくった、雲隠れしていた栄輔のけじめをつける禊の場所だったのだろう。潔だけに潔いやり方を選ぶのだなあと感心した。
最後は龍一も笑顔になっていた。

誰かの笑顔を想像しながら日々過ごすことかなあ
栄輔の姿を見て、心に迷いが生じたのか、健太郎(古川雄輝)は、古門(西岡徳馬/徳は旧字)に話を聞きにいく。
その後、坂東家のデッキでたそがれていると、すみれがやって来て、成功とは何かの話に。
お金をもつことや何かをやってきた証を世間に見せつけること、それだったら成功しなくてもいい、とすみれは言う。彼女にとっての成功というかモチベーションは、
「誰かの笑顔を想像しながら日々過ごすことかなあ」。
お金や自己実現が必要のない環境に生まれ育った「べっぴんさん」の主人公らしい回答だ。
このデッキの白い柱に四つ葉のクローバーが彫られていることを撮影エピソードのときに気づいたが、
さくらは少女の頃の気持ちをずっと持ち続けている象徴のように見える。
彼女が最後までその気持を貫いて生きていけることが「べっぴんさん」の物語なのだ。
最終回まであと2週間! すみれの生き方に暗雲は立ち込めるのか。このまま太陽さんさんなのか。

「(栄輔は)持ってるんやなあと思いました」という健太郎の台詞が気になった。「持ってる」は2010年新語流行語特別賞を受賞した言葉。主にスポーツ選手が勝てる運や実力などなんらかの要素を持ってるというようなときに略して使っているのが一般に広がった。特別な言葉ではないから「べっぴんさん」の時代にも誰かが何気なく使っていてもおかしくはないが。

誰かって誰や
明美(谷村美月)に会いにレリビィにやってきた栄輔。そこで飲み会をやっていたタノシカナ(武ちゃん、紀夫、昭一、勝二、中西)の着こなしについて悩みを聞き、ネクタイとコートについてアドバイスする。

これが栄輔流だ。
【ネクタイ】 黒のニットタイと地味なものを2、3本。夜用にシルバー系。派手なものはそのうち誰かにもらうのを待つ(誰かって誰や・・・とツッコむ昭一)
【コート】 黒のライナー付きレインコートが一着あれば、3シーズン着回せる。

今日の、紀夫くん
飲み会で寝ちゃっている紀夫(永山絢斗)。相変わらず酒に弱い。というのは、誰もが微笑んだであろう場面。
注目したいのは、試写会で挨拶している紀夫の背後の棚のリスのぬいぐるみ。監督帽かぶってメガホンをもっている。細かい! かわいい!
(木俣冬)